土夢について
無機中性固化剤『土夢』は、長年にわたる技術開発の研究成果を集約して開発した無機系の土壌改良材です。
土夢は、セメント系や石炭系では困難な有機質土やヘドロ、泥炭・残塗料を特殊水和物の生成により処理の過程で二次公害を生じることなく、経済的に処理することができます。
土夢は環境・生態系にやさしい固化剤です。
土夢の特長
1.建設廃汚泥や軟弱地盤などを改善
土夢は、建設廃汚泥や不良地の土壌改良を行うことのできる、 無機中性固化剤です。
2.あらゆる土壌に効果を発揮
土夢(ドーム)は土壌の性質によらず効果を発揮できる固化剤です。 二次処理を必要とせず、 土壌を中性領域に整えることができます。 従来工法にありがちな悪臭などのリスクも低減しています。
3.環境にやさしいリサイクル商品
土夢は、石炭灰、パルプ灰を主成分とし 産業廃棄物を無害化、リサイクルする改良剤です。 処理した土壌は二次公害がなく、埋戻土、植栽土として使用可能です。
主な機能
- 土質、汚泥を選ばない(有機、無機問わず)
- PH調整機能
- 消臭効果
- 有害物質(重金属類)の封鎖効果
- 体積の増加がない
- 即効性
- 団粒化(小粒の集合体となり、保水性、通気性、通水性に優れる)の持続
団粒化の利点
(1)改良した土質は団粒状態になるため、透水性に優れています。
(2)土壌が均質化するので、時間とともに周辺の土質になじみ、自然な地盤になります。
用途範囲
- 池、河川、海などヘドロ処理・汚水処理
- 浚渫土の再利用、早期処理
- 作業用仮設道路
- 路床、路盤の改良
- 宅地造成の土質改良
- 養鰻池、蓮池などの推積汚泥の土質改良
- 公園、歩道の造成
- し尿廃泥、油泥の固化処理
- ゴルフ場の土質改良
- 一般産業廃棄物処理(ベントナイト他)
- 水溶性残塗料
- 集水升ヘドロ
使用量の目安/ヘドロ処理の場合
含水比率100~200%のヘドロに対し、【1t当り】90kg程度。
セメント系の1/2程度の使用量で済みます。
建設廃汚泥に対しては、土夢を3~10%程度の割合で使用します。
※条件によって異なります。
土夢使用量(t)=処理体積(m3)×比重係数(下記表参照)×適正添加率(%)
適正添加率は3~10%を目安としていますが、条件によって異なります。
比重 | 状 態 |
---|---|
1.5 | 軟 弱 |
1.6 | 非常に軟弱 |
1.7 | 粘土状 |
1.8 | ヘドロ状 |
1.9 | 遊水状 |
2.0 | 流水状 |
調査 | 検体 |
変化条件
1)含水率により変化します。
2)改良土の使用用途(強度)により変化します。
含水率 含水率とは、湿潤状態の重量(A)と絶対乾燥状態の重量(B)を測定し、次の算式により求められます。
含水率=(A-B)÷B×100%
使用量の目安/残塗料の場合
対象の水溶性残塗料の重さに対し10~20%程の添加量
土夢とセメント系固化剤との比較
検討条件 | 固化材 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
(土夢) | セメント系 | 石灰系 | 石膏系 | |||
強度性 | 評価 | 評価 | 評価 | 評価 | ||
設計CBR≧3に対する改良効果があること。 | 添加量により目標強度の改良効果がある | ○ | 添加量による目標強度の改良効果がある | ○ | ○ | ○ |
脱臭性 | 評価 | 評価 | 評価 | 評価 | ||
悪臭等の脱臭効果があること | 安定固化する過程で、脱臭効果がある | ○ | 安定固化する過程で、脱臭効果がある | ○ | △ | ○ |
透水性 | 評価 | 評価 | 評価 | 評価 | ||
透水性の維持、改善ができること | 安定固化すると透水係数の維持、改善が行われる | ○ | 原土の透水係数に対し、1×10-1~-2程度の低下が予想される | △ | △ | △ |
安全性 | 評価 | 評価 | 評価 | 評価 | ||
使用材料・改良土が安全であること | 主成分が無害化されているので、改良土の安全性も高い | ○ | セメント系成分に生石灰を増量調整しているもので、生石灰は強アルカリを呈する。また、反応熱が多少発生する | △ | × | × |
有用性 | 評価 | 評価 | 評価 | 評価 | ||
植栽基盤材(客土)として利用することができる。工事残土の発生がなく、現地改良ができる | 現地改良であるため、工事残土は発生しない | ○ | 有機質を多く含む改良土は、廃棄処分となる | △ | △ | △ |
施工性 | 評価 | 評価 | 評価 | 評価 | ||
簡単で、高い精度が確保され、施工条件を選ばないこと | 反応初期の吸水効果が速く、高く、機械効率が良い | ○ | 降雨、降雨直後の施工は不可能である。低温化での固化反応が低下する | ○ | △ | △ |
総評 | 評価 | 評価 | 評価 | 評価 | ||
検討条件に対する改良工法の総評 | ・生物に対するアルカリ障害がなく安全である。 ・主成分であるスラッヂにより、透水保水性の維持、または、改善が期待できる。さらに脱臭効果もある。 ・反応期間が短く、材料管理も安易で施工性に優れている。 |
○ | ・セメント・石灰が主成分であるため、強アルカリ性を呈し、生物に対する安全性が低い。 ・反応時間が多少長く、よって、施工効率が多少劣る。 ・施工性はよい。 ・経済性にやや優れている。 |
○ | △ | ○ |
土夢によるヘドロの改良
土夢とヘドロを混合。嫌な臭いを軽減
混合2時間後天日で乾燥。嫌な臭いが無臭に。
土夢による水溶性廃液の固化
天日干し5~7日程で完全に乾燥する。