水夢について
株式会社アクト製凝集剤『水夢(すいむ)』は、ゼオライトと言う鉱物を主成分とした無機系凝集剤です。
凝集剤とは汚水を浄化する水処理剤のことで、『水夢』は自然の水にも、工場廃液にも幅広く使える凝集剤です。
『水夢』の使用方法は簡単で、直接廃液に『水夢』を投入・攪拌するだけで、廃液中の汚濁部分が凝集し、透明の水の部分と分離させることができます。
↑水夢による凝集の様子
水夢の特長
1.あらゆる水質に効果を発揮
水夢は品番が多く、様々な廃液に適用可能です。
河川、池、湖沼、海、工事濁水など自然系の廃液にも
塗料、ボンド、インキ、切削、その他工場廃液にも適用可能です。
2.フロック(凝集物)の安定性が高い
水夢による処理で発生するフロック(凝集物)は崩壊しにくく、分解や再溶出の
怖れもありません。水夢処理によって発生するフロックの水分含有率は50%程です。
3.重金属の回収も可能
水夢処理によって廃液中の重金属を凝集・沈殿させ、回収できます。
回収可能な重金属…鉄、鉛、銅、亜鉛、六価クロム等
4.廃液処理のコストダウンに貢献
水夢によって処理した水は下水に流せるほど浄化されています。
処理後の凝集物だけの廃棄で済めば産廃コストは大幅に削減できます。
廃液を全量廃棄する場合にかかる産廃費用…ドラム缶1本に対し2~3万
廃液を水夢処理した場合にかかる処理費用…ドラム缶1本に対し1,000円以下
主な機能
重金属イオンの吸着、 固定分離機能
- イオン交換能(陽イオン・陰イオン)
- アルカリ沈殿・共沈・置換
- 浮遊懸濁物の粒子間電位低下
- 酸化触媒反応
- 凝集反応の促進
反応機構
主剤は天然鉱物の珪酸塩・粘土。
イオン交換機能によって吸着・脱着・ 結合作用による。
水夢の安全性
凝集剤で最も多用されている凝集剤がPAC(ポリ塩化アルミニウム)と有機高分子凝集剤ですが、これらを自然界に放流すると、魚のエラに有機高分子凝集剤が付着し魚が窒息するなど、環境・生態系に対する影響が否定できません。
放流された有機高分子凝集剤は自然界において分解することなく留まり、長期に渡って環境へ影響をもたらす恐れがあります。さらには、有機高分子凝集剤に含まれるアクリルアミドは、発がん性や毒性があると言われており、人体への影響も懸念されています。
その点水夢は天然鉱物を中心に構成されており、"自然の土"に近い成分のため、
安全性も高く、数々の工事現場や湖沼、池等で使用されています。
1.水夢の有害物質含有試験
検査項目 24項目
カドミウム又はその化合物 (Cd) |
シアン化合物 (T-CN) |
有機燐化合物 (O-P) |
鉛又はその化合物 (Pd) |
六価クロム化合物 (Cr6+) |
砒素又は その化合物 (As) |
水銀又は その化合物 (T-Hg) |
アルキル水銀化合物 (Al-Hg) |
ポリ塩化ビフェニル (PCB) |
ジクロロメタン | 四塩化炭素 | 1,2- ジクロロエタン |
1,1-ジクロロエチレン | シス-1,2- ジクロロエチレン |
1.1.1- トリクロロエタン |
1.1.2- トリクロロエタン |
トリクロロエチレン | テトラクロロエチレン | 1,3- ジクロロプロペン |
チウラム |
シマジン | チオベンカルブ | ベンゼン | セレン又はその化合物 (Se) |
検査結果:有害物質24項目は検出されませんでした。 検査機関:四国計測工業(株)
2.水夢の水生生物に対する安全性
ヒメダカ及びシラスうなぎへの安全性
試験内容: ヒメダカ及びシラスうなぎについて、7日間の生存試験を実施
検体 | 水夢添加量 | 48時間後(2日)生存率 | 168時間後(7日)生存率 |
---|---|---|---|
ヒメダカ | 200ppm | 90% | 90% |
シラスうなぎ | 200ppm | 100% | 100% |
検査実施機関:徳島県
検査機関:東邦化工建設(株)徳島事業所(委託)
上記試験は、徳島県が施行する東環状大橋橋脚工事に伴う工事濁水処理への採用を検討するために実施しました。実施した結果、生態系に影響を与えないという結論から水夢が採用されました。
ミジンコ類への安全性
試験内容:ミジンコに対する48時間急性遊泳阻害試験 (試験容器を穏やかに動かした後、15秒間泳げないものを遊泳阻害とした。)
検体 | 水夢添加量 | 24時間後遊泳阻害率 | 48時間後遊泳阻害率 |
---|---|---|---|
オオミジンコ | 150ppm | 0% | 20% |
検査機関:財団法人日本食品分析センター
他社製品との比較
1.水夢と他社製品の機能比較
水 夢 | 高分子 凝集剤 |
他社無機系 凝集剤 |
備考 | |
反応時間 | ◎ | × | △ | |
凝集形態 | ◎ | × | △ | 再撹拌 |
沈殿速度 | ◎ | × | × | 油分は浮上 |
スラッヂの粘り | 微 | 多 | 中 | |
SSの除去能力 | ◎ | ○ | ○ | |
CODの低減能力 | ◎ | △ | ○ | |
BODの低減能力 | ◎ | △ | ○ |
2.水夢工法と従来工法(PAC+高分子凝集剤)との比較
比較項目 | 水夢工法 | 従来工法 | 備 考 |
---|---|---|---|
設備 | 省スペース | 広いスペース 必要 |
設置面積は2分の1程度減少。 |
pH調整 | pH5.0~9.0の 間は調整不要 |
必要 | 従来工法ではPACでpHが変動する。 |
スラッジ | 再利用可 (重金属類が 含まない場合) |
再利用不可 (廃棄物) |
自治体の見解によるが平成11年3月29日付けで国土交通省より「建設汚泥再生利用技術基準案」が示されている。 |
スラッジ発生量 | 1 | 1.5倍 | 含水率が20~30%減少できる。 |
スラッジ性状 | サラサラ | ベタベタ | 脱水性が極めて良い。 |
過剰添加 | 問題なし | 処理水が白濁 | 高分子凝集剤を過剰添加すると環境に対する危険度がますます高くなる。 |
添加量の調整 | 簡易 | 煩雑 | PAC、高分子それぞれ適正に調整する必要がある。 |
処理水の管理 | 定期的で良い | 常時必要 (添加量) |
|
重金属類除去 | 可(鉄、六価クロム ヒ素など可能) |
不可 | |
環境への安全性 | 高い | 低い | |
生物への影響 | 無し | 有り | 高分子凝集剤が魚のえらに詰まり窒息死の恐れあり。 |
企業イメージ | 向上 | ||
取り扱い | シンプル | 複雑 |
水夢の種類
シリーズ | 品番 | 対象廃液 |
STシリーズ | ST-4002H | セメント・モルタル排水 |
ST-2502P | 工事現場濁水、食品工場廃水 | |
SP-シリーズ | SP-3602GP | 水溶性廃液全般(塗料、インキ、ボンド、切削) |
SP-40014MB | 水溶性廃液全般(塗料、インキ、ボンド、切削) | |
SP-4004V | 水溶性塗料洗い水、水溶性インキ洗い水 | |
NSP-2035 | 工事濁水、生活雑排水、ため池除染、高濃度廃液 | |
COシリーズ | CO-5022MG | 水溶性切削廃液、研磨廃液 |
WPシリーズ | WP-5004MV | 水溶性廃液全般(塗料、インキ、ボンド、切削)、高濃度廃液 |
重金属タイプ | HM-1402F | 鉄、鉛、銅除去 |
HM-2702HC | 六価クロム、カドミウム、砒素除去 | |
HM-3001MZ | 亜鉛除去 |
※上記以外の対象廃液にも効果がある場合もあります。
使用量の目安
簡単な廃液 (池、川、工事濁水等) |
100~500ppm (1立方メートルの廃液に対して100~500g) |
---|---|
複雑な廃液
(塗料、インキ、切削等) |
1,000~5,000ppm (1立方メートルの廃液に対して1~5kg) |
製品形状
- 【左】20kg入り風袋
- 【右】1kg小分袋×10袋 箱入り ※開封口はジッパー付